日本各地を旅する男のブログ
 

旅する男たくまの旅の記録

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【2013.10.11 Friday 】 author : スポンサードリンク
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現代日本人は薄情?
 

100歳を越える老人で行方知れずの方が結構いらっしゃるようですね。
こんな状況を想像もしたことなかったので、ちょっとびっくりしています。

それにしても、ニュースをみるにつけ毎回耳に入るこの言葉。

「日本人は薄情になった」

そうなの〜?

「現代日本人薄情論」(←勝手に命名)は、老人行方不明事件の前から
ずっと言われてきていることですが、
私が全国各地の寺社史跡をめぐる旅をした感想は、

「どこの地域に行っても暖かい人はたくさんいるもんだ」

でしたけどね。本当に。
田舎はもちろん、東京のような都会でも、ずいぶんいろんな人に助けられました。


中でも一番びっくりしたのは、京都市の南西のはずれに鎮座する大原野神社を訪れたときです。


20060912_131709.jpg
【京都府 大原野神社 784年長岡に創建、850年現在地に遷座】


その日は雨模様で、私は濡れながら参拝していたのですが、
地元の方らしいおばさまが、すれ違いざまに

「傘を差し上げましょうか?」

とおっしゃるではないですか。
そして、私が答えるまもなく、おばさまは自分の傘をたたんで私に渡そうとするのです。

わたしゃぁ、この方は大原野神社の神様じゃないかと思いましたよ。いやほんと。
「たくまの旅日記:大原野神社 人心の荒廃を嘆いていい人」参照)


20060912_131711.jpg
【一本しかない傘を見知らぬ人間に差し出そうとしてくれた神様のようなおばさま】


私、このおばさまに出会って感じました。
日本人は薄情になったと思っていたけども、その前に、
自分はこのおばさまのように人に情けをかけているのだろうか?

答えはもちろん否。
私には日本人の心の荒廃を嘆く権利はありませんでした。
きっと今でも。


ところで、話を戻しますが、日本人、まだまだ全然いけてますよ。
フランス辺りに在住している日本人であれば、きっと私と同じように考えるはず(笑)

ですから、あまり不信感をつのらせるような発言を電波で流さないで欲しいと思います。



さて、それでもなお、「現代日本人薄情論」が流布するのには当然理由があるはずで、
その主なものとして挙げられるのが、「昔は隣近所で助け合っていた」というもの。

これをちょっと歴史的に考えてみると、昔の近所付き合いが濃かった大きな理由は、
地縁的なつながりが強かったということでしょうね。

江戸時代まで、ほとんどの人が生まれた村で一生を過ごしていました。
村のコミュニティは小さなものなので、どこで誰が何をしていたかなんて、
またたくまに村中に知れわたったと聞きます。
こんな社会ですと、近所との距離感が近くなるのも当然です。

「現代日本人薄情論」は、長い長い時間をかけて培われてきた日本人のコミュニティが、
近年になって崩れてきているということでしょう。


しかし、ちょっと待ってください。
地縁的つながりの強い社会は、本当に純粋に「昔は良かった」といえる様なことばかりなのでしょうか?

はっきり言って、私は嫌です。


狭い土地に縛られた社会は、そこだけのルールや価値観、常識を生み出し、
社会に属するすべての人にそれを押し付けます。
従わぬ者、なじまぬ者は変人のレッテルを貼られ、
「女は村の所有物」といったような偏った考えも、容易に正当化されてしまうのです。
自由もない、権利もない、プライバシーもない。

基本的人権の尊重という点では、今は、昔よりまちがいなく良くなっていると私は思います。


とは言え、たしかに、現代日本の個人主義的な考えが理想的とは思いません。
個の尊重と言いながら、結局、集団心理に身を委ね埋没する中途半端さは否めません。

それでもやはり、何もかも悪くなっている訳では絶対ない。


今求められていることは、「昔は良かった」と懐古主義に浸ることではなく、
現代的な個の尊重と伝統的な集団意識とを
うまく融合していく方向性を求めることではないでしょうか?


何か偉そうにあれこれ語ってしまいましたが、具体的にどうすべきなのか、
私に妙案があるわけではありません。

しかし、私は、私自身の課題として、まずは大原野神社のおばさまのように
スマートで情け深い人間を目指そうと思います。

【2010.08.06 Friday 22:42】 author : たくま
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【2013.10.11 Friday 22:42】 author : スポンサードリンク
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