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【2013.10.11 Friday 】 author : スポンサードリンク
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絶句!! 『新 琉球王統史』
こんな歴史書が認められていいのか!?


最近、本屋である歴史書をみかけました。


『新 琉球王統史』 与並岳生著

琉球王国代々の王に焦点をあてそれぞれの治世におこった出来事を概論的にまとめた内容で、全20巻も出ています。
たくまが手に取ったのは第1巻、『舜天/英祖』
たくま自身が英祖(えいそ)王のお墓とされる「浦添ようどれ」の発掘をお手伝いしたこともあり、どんな風に書かれているのかと興味本位に読んでみたのでした。

すると、


「なんじゃこりゃあ〜!?(--;」

誤りが何箇所かあるくらいならいいんです。それならまだわかるんです。
しかしこの本、正しいところを探す方が難しかった。

論より証拠。
以下、英祖の時代に関して書かれているところを一部抜粋します。
どれだけ誤っているかをご覧ください。
赤字がたくまの修正文です。



***************

 仏教の始まり

 『中山世鑑』にはありませんが、『世譜』『球陽』には、英祖の事績として、もう一つ、寺院を建てたことが挙げられています。
 咸淳年間(1265〜74)、一人の禅僧が、那覇に漂着しました。史記は「どこの人かは分からない」としていますが、名は禅鑑(禅鑑の属した宗派は不明で「禅僧」の根拠はない)
 英祖は彼のために、命じて、浦添グスクの西に精舎を建て、「極楽寺」と名づけました。これが沖縄における仏寺の始めとされています。

(中略)

 その点でいえば、浦添城下の英祖墓陵「ようどれ」に収められている英祖の石棺(石厨子)に、その影響が色濃くあらわれています。
 「ようどれ」は「世凪れ(よとれ)」すなわち安楽の意です。(「世凪れ」ではなく「夕凪れ」が一般的) 英祖陵墓室の石棺は三基あり、英祖とその祖父、父とされています。(大間違い!それぞれの石棺には20人近くの人骨が納められており、個人の棺でないことは明らか。英祖の父や先祖が葬られているといわれるお墓は別にあり、県の文化財にも指定されている)英祖のものは大型です。(英祖が葬られている石棺がどれかは特定できない)中国の閃緑岩で造られた石棺は、瓦屋根を模し、屋根には宝形、棟には宝珠と龍・鳳凰が彫刻され、(「ようどれ」の石棺の屋根は宝形造りなので棟はない。鳳凰の彫刻は下がり棟の先にあるが、龍はどこにも見当たらない)棺の四面には仏たちがレリーフされ、台座にはそれぞれ花鳥・鹿・獅子がレリーフされています。明らかに仏教色の石棺です。ここに、かの極楽寺の僧禅鑑の存在がうかがえます。(「ようどれ」の石棺が造られたのは禅鑑来琉の150年も後のこと。禅鑑の存在はうかがえない。)
 これらの石棺がいつ造られたものか分かりませんが、「ようどれ」自体は、英祖が築いたといわれています(英祖が築いたばかりの「ようどれ」には、石棺ではなく、木棺が納められていた。)。古琉球特有の崖面の洞窟を掘り進めて造った岩墓です。祖父・父の石厨子を安置し、かつ自分もそこに入るためだったのでしょう。
だとすれば、祖父・父の石棺は、英祖が造り、英祖が亡くなると、その子の大成が、父英祖の石棺を造って安置したのでしょう。浦添按司となった父の偉業をたたえるために、その棺はひときわ大きくしたと思われます。(前提が誤っているのですべて間違い)
 「ようどれ」は極楽山ともいい、極楽寺はその菩提寺という位置づけになります。
 極楽寺は「極楽山普陀楽寺(ふだらくじ)」と呼ばれます。(「補陀楽山極楽寺(ふだらくざんごくらくじ)」の誤り)
 寺の位置は、史記には浦添グスクの西と記されていますが、「ようどれ」に近接していたと考えられ、げんに最近の発掘調査などを通じて、それは浦添グスク西北崖の、英祖の墓陵「ようどれ」の北側にあったと、推定されています。現在は採石のために削り取られてしまっています。(発掘調査の結果、極楽寺の位置は確定できなかった。「ようどれ」の北側という推定は、言い伝えや聞き取り調査などからなされた。)


***************


内容はよくわからないかも知れませんが、誤りの多さはざっとわかっていただけたと思います。

この本、相当古くに書かれたものかとも思ったのですが、初版は2005年。
おーまいぶっだ

参考文献も記載されておらず、何を根拠にこんな歴史が作り上げられたのかはまったくの謎です。

この著者は、なぜ、文章を書く段階で、発掘を実施している浦添市文化課に質問にいかなったのでしょうか。

・・・

いや、この際、彼がどういう調べ方をしたのかなんてどうでもいいんです。

もしかしてと思い、『新 琉球王統史』をネット検索してみました。
すると、やはりいるんです。
このフィクションブックで琉球史を学んでいる人々が。


たくまは知っています。
一冊の歴史書を書き上げるのに昼夜を問わず勉学に励む人を。
たった一語が与えるイメージに極度の緊張感をもって臨む人を。
歴史が持つ意味を、社会に果たす役割を痛感し、より客観的な事実を世の人に広めていくことに人生をかけている人々を。

あえて言いたい。

この本は、彼らに対する冒涜だ!


・・・と言ってみたところで、このようなひどい本の出版がなくなることはありません。
情報を一方的に受けるしかない私たちは、いったいどうすればいいでしょうか?

できることはいくつかあると思います。
まず、読んだ本の内容を鵜呑みにしないという意識。
そして、本当に知りたければ、1冊に限らず複数の本から情報収集してみることです。


いま世の中は情報化社会と言いますが、よく考えてみれば、私たちが触れている情報がどれだけ限られていることか。
ある人がニュースで批判されると私たちはそれをすぐに悪人と意識しがちです。
その人に会ったことがあるわけでもなく共通の知人がいるわけでもない。
ただニュースの情報のみで判断してしまうのです。


先のダメ本のことといい、私たちが何かを「わかった」と言うにはあまりにも情報収集を怠っている

そんな気がしました。
いつまでも自分はわかっていないのだという緊張感を持っていようと、決意を新たにしたたくまでした。
【2008.01.20 Sunday 22:20】 author : たくま
| 沖縄 | comments(4) | trackbacks(1) |
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【2013.10.11 Friday 22:20】 author : スポンサードリンク
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この記事に関するコメント
そんな本が出回っているとは…ホント怖いですね(汗


私も最近「自分は何も知らないということを自覚する」事の大切さをかみしめる日々です。
分かった「つもり」が一番やっかいですね。
気を引き締めて頑張ります!
| カバ | 2008/01/25 1:05 AM |
カバさん
>そんな本が出回っているとは…ホント怖いですね(汗

そうなのよ〜 俺も最近の本でここまでのは初めてでびっくりしたよ。
沖縄の本屋では、こういう本とちゃんとした学者の学術書がが同じ「沖縄のコーナー」においてあるからちょっと怖いよね。


>分かった「つもり」が一番やっかいですね。

ほんとだよね。
俺も、気付いてない自分探しをモットーにがんばろうと思ってるよ。
| たくま | 2008/01/26 2:13 AM |
まず、最初に何かを疑うって大事ですよね。
| | 2008/09/14 4:19 PM |
雫さん
>まず、最初に何かを疑うって大事ですよね。

ほんと、そうですよね。
しかし、その“疑う”のって、よくよく考えてみると、けこっこう難しいですね。
ある程度の知識がないと、何を疑っていいかさえわからない。
そんな状態で疑うってのは、ただの疑心暗鬼になってしまいかねない。
・・・どうしたらいいんでしょ?(^^;
| たくま | 2008/09/15 1:03 AM |
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