滋賀の磐座をご紹介するはずの磐座シリーズでしたが、京都の伏見稲荷大社に行ってなかなかのおもしろ体験をしたので、今日はそちらをお送りします。
もちろん、磐座もあります。
京都市伏見に鎮座する伏見稲荷大社。
全国の稲荷社の総本宮として有名です。

(随神門)
今の社は稲荷山という山の麓に位置しますが、元は稲荷山山中に鎮座していたそうです。
もうおわかりでしょうが、この稲荷山こそが元々の信仰の場、聖地です。
まずは麓の建造物を拝観。
たくまの伏見稲荷でのドラマは、すでにココから始まっていたのでした。
随神門をくぐるとすぐに拝殿が見える。
大社とは言え、麓の境内はそこまで広くはない。

(伏見稲荷拝殿)
拝殿前にわずかに人だかり。
その視線の先から笛の音が聞こえてくる。
見ると、巫女の神楽舞。
(これはラッキー♪)
苔蒸し貫禄を漂わせる神楽殿の優雅な舞子をカメラにおさめよう…
としたその時
「写真だめ!」
たくまを制止する警備員の声。
「写真だめよ」
ダメ押しに同じ言葉を繰り返す警備員。
た「あ、だめなんですか?」
警「神ごとだからね。撮影は断ってるのよ」
た「そうですか」
(神主に神ごとを語りよって(--#))
茶髪で神主もへったくれもない。
納得のいかないたくまに気付いたのか、警備員
「ごめんね」
「いえ、とんでもない!」
いい人だ。

(神楽終了後の神楽殿)
しかし、やはり何か気に食わないたくま。
代わりに祈梼最中の神主を激写。
(あれ〜?止めないの〜?神ごと撮影禁止ちゃうの〜?
どっちかっつうと、神楽より祝詞奏上の方がより重要な神ごとちゃうの〜)
小さな自尊心を満たし、聖地稲荷山を目指す。
所々ある地図によると、稲荷山は、ある程度真っ直ぐ奥へ進むと、山道をぐるっと一周して戻ってくるようなルートになっているらしい。
そのルートを目指しさらに奥へと進む。
稲荷と言えば、すぐイメージするのが連立する赤い鳥居。
ココ伏見稲荷に並ぶ鳥居の数は、たくまが今まで見たものとは比較にならない量だった。
通称千本鳥居。
山中のルートに延々とあるので、もしかしたら千本以上あるのかも知れない。
千本鳥居を写真におさめようとすると、前のカップルがなかなか先へ進まない。
お互いに携帯で写メして見せあっている。
(これこれ、平日に神社でデートする信心深い感心なカップルよ。撮り終えたなら早く先に進みなさい。)
自分の写真に人を入れたくないたくま。
心の中で優しく呼び掛ける。
すると、そのカップル、携帯を交換して再び撮りあう。
そしてまた確認。
(う〜ん。気持ちはわかるぞ〜。でも、次の人が来そうだから早目に動いてね)
やっと歩を進めるカップル。
しかし、ほんの3m進んだところでまた写メ&確認。
(おどりゃあ!それだけしか進まんで風景どれだけ変わるんじゃ!はよ視界から消えんかい!仏の顔も三度までじゃ!)
まだ二度しか許していない。
やっとカップルが進み、念願の千本鳥居を写す。
ずいぶん待たされた腹いせに、怨念をこめカップルも写す。
(魂吸い取ったる〜)
撮り終えたらたくまはすぐ駆け足。
ゆっくりできる旅ではない。
のんびり進むカップルを尻目に風のようにひた走る。
しばらく進むと池に行きあたり、左右に道が分かれている。
(ココが一周ルートの分岐点だな)
とりあえず右へ進む。
林の中、細い道をずっと駆け足でつき進む。
しかし、行けども行けどもそれらしい神社はない。
(おかしい(--;))
と思い出した頃、なにやら祀ってある場所を発見。
(ああよかった(^^;))
と安心したのもつかの間、そこの石碑を読むと
「弘法ヶ瀧」
(「弘法」?弘法大師?仏教?)
鳥居が並んでいるのでてっきり稲荷のひとつかと思ったが、ココは、弘法大師が法力で水を湧き出させたという仏教の聖地らしい。
明らかに道を間違えた。
元きた道へ戻る。
の前に、せっかくきたのだから水を撮ろうと中へ入っていくたくま。
細い路地の中に流れでる水を発見。
一人の白衣をきたおばちゃんが立っている。
(修行中か?)
と思ったその瞬間、突然おばちゃんの叫び声
「キェェェイ!」
(ビクッ!Σ( ̄ ̄;))
修行が始まったらしい。
慌てて引き返そうとするたくま。
しかし、後ろを振り返ると、いつの間にか同じ白装束の女性陣がたくまの後詰めに入っている。
道が狭くて
(抜け出せない(--;))
少しオカルトなハーレム状態。
その空間で一人浮いているたくまを気にもせず、祈梼は始まった。
「かんじーざいぼーさつ!!」
聞こえてきたのは磐若心経。
その間たくまは動揺を隠しつつ写真を撮っているふり。
磐若心経が終わり、今がチャンスと抜け出そうとすると、続け様叫ばれたのが神社の大祓詞(おおはらえことば)。
(神仏習合Σ( ̄ ̄;) てか、これは俺に参加しろということか?)
一緒に叫びたい衝動にかられる。
が、よく聞いていると、かなり省略された大祓詞になっている。
これでは
(ついていけねえ(--;))
満員電車を降りるように白衣のハーレムをかきわけなんとか脱出。
と同時に、ハーレムたちは何やら手で印を結びたくまが理解不能な言葉を唱え出した。
(危ない。呪い殺されるところだった(--;))
来た道を戻り、本物の一周ルートに到達。
そこで待っていたのは、先程のカップル(まだいたのか)と女の子二人組と外国人カップル。
(この日、たくまが見かけた参拝者の三分の一は外国人だった。さすが京都。)
この三組と一人がほぼ同じペースで山を一周し、まるでツアーのようになった。
順路に従いツアースタート。
元々明るいのか、稲荷の鳥居がかもしだす雰囲気に酔っているのか、女の子二人組は出会う人出会う人にやたら元気よくあいさつする。
「こんにちは!」
(ココは尾瀬か(--;))
そういえばたくまだけ言われていない気がしたが、気のせいだったことにする。
しばらく進むと古木が祀られている神社に到達。
伏見稲荷は外国人観光客の多さの割に英語の解説が一切ない。
これはちょっとかわいそうだと思い、たくまが先に動いて見るポイントを教えてあげる。
(そこの兄ちゃん。手水飲んどる場合ちゃうで。ココ見るんやで)
ご神体を無遠慮に覗きこむたくま。
その瞬間、突然襲いかかる猫の叫び。
「フギャーーー!!」
「どわ!?Σ( ̄□ ̄;)」
「ワオ」
たくまを見て笑う外国人カップル。
(そう、失礼すると罰があたることを教えたかったのさ。じゃぱにーずごっどはぐれーとね(--;))
さらに進み、磐座に行き着く。
(うむ。見事じゃ)
わかってんだかわかってないんだかわからない様子で写真を撮る女子二人。
とりあえず眺めて何かを感じようとする外国人カップル。
手をつなぎそのまま行き過ぎる日本人カップル。
(素通りかよ!Σ( ̄□ ̄;))
突っ込むたくま。
ツアーはいよいよ佳境に。
稲荷山には三つの特徴的な峰があり、それぞれの頂きが重要な聖地。
たくまたちのツアー一行は、最高峰の一の峰から二の峰、三の峰と下って行くコース。
よって、まずは一の峰への急な坂が待ち受ける。
ツアーの前方を、明らかに肥りすぎのおじさんが歩いている。
抜きさるたくま。
おじさん、呼吸のしかたが尋常でない。
(大丈夫か?(--;))
女子二人の「こんにちは」攻撃はそんなおじさんにも襲いかかる。
「こんにちは!」
「…ごん、ごぼっ!」
もはや言葉にあらず。
(そっとしといてやれよ(--;))
一人の脱落者もなく、ツアー無事一の峰へ到着。
道を間違えたこともありかなり喉が渇いていたたくま。
売店の自販機に目をやる。
「150円」
(やっぱりね(^^;))
禁欲生活のたくまに小さくて高いジュースなどもってのほかである。
一の峰を参拝し後は下りるだけ。
二の峰へ出発。
すぐ到着。
下りは楽だ。

(二の峰)
二の峰にも自販機が備えつけられている。
買う気はないがどうしても目がいくたくま。
すると
「180円」
(値上がりかよ!?Σ( ̄ ̄;))
「一の峰で買っておかないお前が悪い」
とでも言わんばかりの暴利。
(えげつないなあ(--;))
そして、たくまの脳裏をよぎったある予感。
(さ、三の峰は…?)
歩調が自然と早くなる。
もはや聖地のことなど頭にない。
…
三の峰に到達。

(三の峰)
(さ、さ、さ、三の峰はぁぁ!?)
「200円」
(きたあぁぁぁ〜!!)
期待を裏切らないこの結末に、良きも悪きも頭から全て消え去り気分爽快で稲荷山を後にするたくまであった。